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ページ化に伴い削除いたしました。


大変お待たせいたしましたぁぁぁぁぁぁぁ!
本当に、マジでごめんなさい。
空さん、これ読んでいるかな。ちょっと時間掛かりすぎたよね。
ついでに何処に使令がいるんだよってカンジで、人型にしちゃった。ごめん…○| ̄|_
蕭蘭さんが好きなので、生きていることにした。
断定されていないなら、妄想してしまえってな!

タイトルは安直過ぎましたか?
でも仮タイトルはもっと悲惨でした。
「おおきく振りかぶって」とか付けてましたからwwww

「擲果満車」の説明は必要でしょうか?
中華ファンタジー系の二次創作には最適の題材だから、よく見かけると思うんですが……。
一応goo辞書から引っ張ってくるな!

「擲果満車」
非常に人気があることのたとえ。また、大変な美少年のたとえ。▽「擲」は投げつける意。「果」は果実のこと。「擲果てきか車くるまに満みつ」と訓読する。「擲果」は「てっか」とも読む。



女性⇒男性の図なので、ラストの丕緒の梨投げは違うんじゃないかと思うんですが、あれがアンサーですから良いのですww

この度はリクエスト有難う御座いました。
どうぞお納めくださいませーー!



ページ化に伴い削除いたしました。

つーことで、こんな話になりました。
少々、蘭桂君がでっかくなっています。
恐らく丈田さんは、小さい蘭桂と景麒の掛け合いを望んでいらしたんだと思うんですが、降って来たのがこれなので、私にも如何しようも無かったのです!(敵前逃亡)
通常なら、これ2Pにするんですが、ブログなんで面倒くさいんですよねー。
二つ目の◆で2P目に変えます。

こんなんになりましたが、ドウゾお納めくださいませ。
このたびはリクエスト有難う御座いました!

ページ化に伴い削除致しました。

つーことで、如何でしょうか?
中々他の話が纏まらず(長くなりそうだともいう)、雨降り小僧さんのを最初に持ってきました。
すんませーん。お待ちの方々、気長にお待ちください。マヂデゴメン!

白木蓮(はくもくれん)の花言葉が「崇敬、自然な愛情、恩恵、自然への愛、高潔な心」それと「忘却」というのもあったので、今回は「忘却」を利用させていただきました。
うーん如何でしょうかねー。
雨降り小僧さんのリクエストが
「浩瀚×陽子 でベタ甘または、季節はずれですが白木蓮」ってことでしたので、こうなりました。
甘いかなぁ…なんかワンパターンな気がして申し訳ないんですが、まぁこれで勘弁していただきたく。
基本的に、ウチは陽子さんが漢前なんだよね。うん。
一番カッコイイ人が陽子さんなんで、結果的に他の男性陣が……○| ̄|_
が、がんばれ!

と、言う事で……このたびは、四周年有難う御座いました。
リクエストどうも有難う御座いました!

*お持ち帰りは、雨降り小僧さんのみです。
*ページ化の再に、加筆修正する場合があります。





「使令たちの座談会」

 金波宮の住民全てが寝静まった丑三つ時。
 深深とした空気は、まるで凍り付いているようで、誰もが安眠を貪っていると思われる。
 しかし、そんな夜のしじまを僅かに乱す、がさごそという音が響く。
 辺りをしきりに窺う様なひっそりとした物音は、正寝から――王の住まう場所のさらに奥。今は使う者など誰もいない筈の後宮から聞えてきた。

「いやー参ったよ。台輔のあの“お怒り”には、さ」
 どさっと音を立てて長椅子に倒れ込む様に座った男は、明らかに疲れていた。
 毛並みの良い狗を思わせる優雅でしなやかな身体は、ふかふかの長椅子に埋もれている。それでいて、剣呑な猟犬の瞳を持ち合わせているのだから、ちぐはぐな印象を与えるだろう。
 だが、恐らくは瞳が与える印象の方が彼の本質なのだ。
 甘く見てかかると、ぐさりと後ろから屠られそうだ。

 一方、その男の前で、酒を手渡してやった男は、というと――丸っきりの正反対。
 がっちりした身体に、長い手足。太い眉と三白眼の目元に、愛嬌なのか泣き黒子が一つ。きっと結ばれた口元は、無音を愛するかのように固く閉ざされている――。
「えー、今日はまだイージャン!この間なんかチョーヤバいって。マジヤバかったじゃん。チョーサイテーだよ。俺なんか、台輔の後ろに鬼神が見えたモンねぇ。傍に控える俺らの身にもなってみろっつーの」
 ――……………い、印象とは違って、け、軽薄な男のようだ。
 しかし、話の途中途中で握った拳を大卓に打ち付けている様は、まるで巨大なサル――狒狒を思わせた。
 その一撃で、人間が死にそうな威力が、風圧がある。

「そうは言ってもお前、一番大変なのは、あの台輔の主人たる主上だぞ?」
「そりゃー、まぁそうなんだけどねぇ……」
 首を振って、自分たちの最高権力者の苦労を忍ぶ。
 そんなふたりの会話を聞いていた小さな少女は、くすりと笑いを洩らす。
 くるっとした大きな瞳が可愛らしく、栗色の髪を軽く巻いている、丸で小栗鼠の様な愛らしい少女は、手を口元に当てているのだが、その効果は無い。
 少女をチラリと見遣り、男二人は肩を竦めた。
 しかし、まだ言いたい事は終わっていないのか、口を開き、話を再開させようとする。
 すると――。
「いい加減にせぬかっ」
 という、玲瓏な響きが部屋を奮わせた。
 少女はその途端、はじかれた様に振り返り、相手へと駆け寄った。
「芥瑚っ!」
 少女を優しく抱きしめた相手は、妖艶な美女だ。
 ふわりと少女を抱きこむその暖かさは、母性を雄弁に語らせ、一方で、その艶やかな美貌は、極彩色の鳥を思わせた。
 ゆっくりと、もう一つの長椅子に座り、少女を抱きかかえると、二人の男を戒める。
「班渠、ジュウサク。せめて、その様な話は雀胡の居らぬ時にせぬか」
 芥瑚の言葉に、班渠と呼ばれた男は「はいはい」と答え、芥瑚の眉を上げさせたが、ジュウサクと呼ばれた男の回答は、彼女に渋面を作らせた。
「えーっそれって何時の話なんだよー。俺らが寛げるって事が第一条件で、そんなの無理な話じゃんかよぅ」
 ジュウサクの言葉遣いに渋面を作ったのか、内容に渋面を作ったのかは――あえて言わないで置こう。
「それよりも……驃騎。そなたがいて、如何してこの破綻した会話を止めぬのか」
 矛先を新たな人物――扉に寄りかかり、静に会話を聴いていた猫の様な男――に向けた芥瑚は、そしらぬ顔をする男に、とうとう額を押さえた。
 驃騎といえば、暗赤色の腰まである長い髪をざっくりと編まれている――現在進行形で。驃騎の傍で真剣な顔で彼の髪を三つ編みしようともがいている男もまた、彼らの同僚の男だ。
「………冗祐……み、三つ編みは、楽しいのか?」
 問われた冗祐は、能面の様な顔を、僅かに微笑ませた。

 混在としたこの空間に、最初に匙を投げたのは、芥瑚だった。

◆◇◆

 一息ついた彼らは、軽く食べるものを用意し、本格的に雑談に入るようだ。
「所で、お前。この間、主上から珍しいものを貰ったと聞いたぞ」
 班渠の言葉に、ジュウサクも続ける。
「そーそー。雀胡ちゃんは何を貰ったのよ?キレイなもん?オイシイもん?それって、俺らにも見せらんないもんなワケ?」
 問われた雀胡は、芥瑚の膝からぴょいと飛び降りると、驃騎の所に行く。
 彼の足元にある包みを持ってこさせると、「よいっしょ」と大卓の上によじ登り、包みをびりびりと破く。中から出てきたのは、綺麗な装飾が施された箱、まるで宝石箱のようなものだった。
 興味津々の彼らは、雀胡が中を開けるのを期待した。

 がちゃがちゃと幾重にも掛けられた鍵を外すこと数分。
 漸く開いた箱の中には――煌びやかな光と、一枚の紙が入っていた。

『みんなお疲れ様。
 この箱の中に入るだけのものしか与えられないけど、みなの座談会の時にでも食べて欲しい。

 中陽子』



 一枚の紙と共に入っていたのは、彼らの大好物――妖魔が涎を垂らさんばかりに欲して已まないもの。
 宝玉の数々だった。
 一体どうやって我々の行動を探っていたのか気になるところだが、そこはそれ。水禺刀を持つ方だ。この使令を人型にさせる空間の事にも気付いておられるのだろう。
 何も語らぬのが妖魔に属する使令たちとはいえ、ここまで悟られると、少し恐ろしいものがある。

 手紙を読んだ面々の反応はそれぞれだったが、心中では皆同じ事を思い浮かべていた。

 ――部下思いの良い方だ。

 それは、口ではなんと言おうが、遠まわしで直接の上司である台輔――景麒の審王眼を誉める事であり、景麒を誉める事と同様のことなのだが、彼らは黙して語らないだろう。

「次に微行《おしのび》される時は、少し目こぼしをして差上げろ」
「そうねー。イベントが目白押しの季節っていうしぃ?下界《シタ》はぁ」
「寧ろ、俺らで笑顔を独占といこうじゃないの」
「台輔には、この際黙っていただこう」
「……太っ腹な上司の方が、仕え甲斐がある」
「主上は、何が好きかな!蘭桂も一緒に連れて行こうねっ」

 こうやって、鉄面皮で無表情な麒麟に使える慶の疲労する使令たちはストレス発散と共に、悪巧みを謀るのである。

 金波宮の夜の帳は、まだまだ閉じようとはしない。

《終劇》

This fanfiction is written by Ryoku.
空さまに捧ぐ。




はい!と言う事で、最後の三周年リクエストとなりました。
空さんから頂いたお題は、
「十二国記・使令さんたち・景麒に遠慮しつつ陽子さんを褒め称える。」
って事だったんですが……あ、あるぇ?
景麒に遠慮なんか全然してナイっぽいYO☆

……大変お待たせいたしました!
そして、如何だったでしょうか?お望みのものと違うものとなっていたらとドキドキしますが、ドウゾお納めくださいませ。
やっぱり一度はやってみたかった、使令の人型バージョンのお話になりましたww


さて、今後のこの企画の事ですが、ブログ先行アップとしてきましたが、掲示板の時同様、コチラはこのまま残しておきます。勿論ブログがきっかけでリクを頂ける様になったことも在りますし、コチラから本家サイトへ移行してくださる方も居られるようなので、お試しとして、ね。

来年は、リク数を減らそうと思います。
流石に6個は疲れた。時間もかかるし、考えるのも大変です。
とか何とか言って来年の事だからナァ…w




「生きる理由」


 その神々しい姿を見たとき、人々は確かに神の使者――天使が地上に降り立ったのだと思った。
 要領を得ない質問『あなたは、そこにいますか?』と尋ねることすら、その存在を“神の御使い”だと思わせた。
 しかし――それは直ぐに否定された。

 我々を破滅へと導く悪魔であり、死神に違いないと断定した。
 「彼ら」は我々を『同化』と称した消滅行為を止めようとはせず、そして我々人類は刻々とその数を減らしていったのだった。

 ただし、我々人類を消滅させる力を持つ「彼ら」の事を、我々は皮肉な名前を付けた。
 即ち――フェストゥム。

 『祝福』と意味される言葉である。

†††


「道生っ!ちょっと待て」
 強引に腕を引っ張られて歩みを止められた道生は、シャワールームから碌に頭を乾かさずに出歩いていた事を悪いとも思わず――その水滴を相手に叩きつける様にして、振り返った。
「……あぁン?」
 出撃直後で疲労が溜まっている自分に一体何の用だ。つまらないことだったら許さねぇからなっ!という雰囲気を隠そうともせずに相手を睨みつけた。
「ああ、スマンスマン。この間借りていた本は明日返すから」
「って、お前何時まで借りてるつもりなんだよっ!……で、話は?」
「ん?あ、そうそう、この子を紹介しようと思って」
「この……子?」
 そう言って目の前に押し出された子供に、道生が不思議そうに前身を眇めると、その子供は脅されたかのように萎縮した。
「おいおい、俺はまだ何も言ってやしないぞ」
 当然の如く困惑した道生は、子供を紹介した相手――道生のメガセリオンなどを担当している整備兵エドゥアルトに言い募る。
 一方エドゥアルトと言えば、「大丈夫大丈夫。これでも暦とした人間で、君を食べたりはしないから」等と道生をフェストゥムかの様に言って、泣き出しそうな子供を宥めた。
「道生っ。レディに対してそんな態度は許せないぞ」
「ああ、スマンスマン……淑女に対してこんな態度……って、あぁぁ?淑女ぉぉ?ちょ、ちょっと待てエドゥっ!そのガキ、女かっ!?
 驚愕を隠そうともせず道生がエドゥアルトに詰め寄ると、彼は飛んできた唾に「きたないなぁ」と眉を顰めつつ、頷いた。
「確りと聞きたまえ、道生。今日から君が面倒を見ることになった、カノン・メンフィス訓練兵だ。……つーことで、新人でありながら、既に年季の入ったパイロットである君の新たな仕事は、このカノンちゃんを確りと『一人前』に育て上げる事だ。あ、可愛いからってまだ十歳の女の子に手を出したらいけないかうおぉぉいったあああああ
 黙然としてエドゥアルトの説明を聞いていた道生だったが、「十歳の女の子に手を出すな」辺りで堪忍袋の緒が切れ、エドゥアルトに向かって回し蹴りをお見舞いしていた。
「……エドゥ……俺、前々から思っていたんだが、言ってもいいか?」
「いや、君の言葉はナイフより鋭いから遠慮しておくよ」
「遠慮する事はない、俺とお前の仲だ。だからはっきり言ってやろう。“Out of the mouth comes evil.”って言葉は、勿論知っているんだよな?」
「……俺は、君よりも英語には長けているのでね。言いたい事は良く分かってますよコンチクショーーーっ」
 回し蹴りを喰らって床で伸びているエドゥは、それでも道生に悪態をつけるのは忘れなかった。
 一人取り残されて、この状況にどうしたらよいのか分からないカノンは交互に二人を見る。
 カノンのそんな様子に気付いた道生がひょいと彼女を抱き上げ、にかっと笑った。
「よぉ、嬢ちゃん。今日から、俺がお前の教官だ。が、めんどくせーから道生でいいぞ」
「ミチオ……?」
「お、ちゃんと口きけんじゃねーの。そ、日野道生だ。よろしくな、カノン・メンフィス」

 ソレが、カノンと道生の――マスターセリオンと謳われた男との、出会いである。

†††


 カノンという新しい訓練兵という名の“お荷物”を抱え込んだ道生は、それまで与えられていたワンルームから、居間と寝室と客間がある仕官クラスの部屋に移った。
 勿論、カノンという新しい居住者を養う意味もあったのだろうが、部屋の広さから考えるに、十分道生の実力に見合う部屋だといえ、男の強さを幼いカノンにも想像させた。
 ちょこまかと、何かと道生にくっ付いて離れないカノンの様子は、親鳥に引っ付く小鳥を想像させ、見るものを和ませた。それは、周囲から、「日本生まれのファフナーパイロット」として恐れられていた道生との距離を縮める事にもなり、エドゥアルトの考えか上層部の考えかは不明だが、確実に他の連合国軍兵士たちとのコミュニケーションが円滑になっていくのも、事実だった。
 そして、意外な事実も露見した。
 道生は存外に子供の面倒を見るのが上手かったのだ。
 連合国軍に保護されたカノンは、その日暮らしをしていたストリートチルドレンと変わりは無く、読み書き算数は勿論、普通の生活習慣すら分からなかった。
 それを、面白おかしく根気良く教えていくのは大変な事なのだが、がさつで荒っぽそうな外見とは裏腹に、器量良く道生はカノンを“導いて”いった。
 客間をとりあえず与えられたカノンだったが、ついこの間までせせこましい場所でひっそりと暮らしてきた彼女には何かと付いていけず、結局夜になると道生のベッドに潜り込んで眠ってしまう。そんな小さな侵入者を蹴落とす訳にも行かない道生は、しがみ付いてくるカノンの優しく抱きしめてやった。まるで父親だ。
 実際、彼に与えられた役割とは、そういったことなのだろう。
 元々物事を覚えるのは嫌いではないと思われるカノンも、貪欲に知識を吸収していき、一年後には連合国軍配下で育った子供達と大差ないほどに成長した。
 そして、体力づくりと基礎訓練を同時に行う様になり、二年後にはカノンも予科練でパイロット候補生として学ぶようになっていた。

「ったくよぉ……最初は、何でお箸の国の文化圏の人間が、ナイフとフォークの使い方を教えにゃならんのかと思ったぞ」
 夕食を共にしていたカノンは、道生の言葉にむっとして言い返した。
「好きで、ストリートチルドレンをしていたわけではない。当時の私には必要がないものだったから、得ようとは思わなかったんだ」
 これ位の事なら簡単に口にする。
 最初の頃は、ぴーぴー泣きついて来たのによぉ、とぼやく道生を知らん顔でカノンは食を進める。
 と、カノンへ一枚の紙を弾いてきた。何だと思い、中を覗くと――そこには部屋番号と思える数字が並んでいた。胡乱に思って道生を見やると、彼はぞっとするような獰猛な笑いを浮かべていた。

「カノン・メンフィス。お前の新しい部屋だ。今夜からそちらに移り、指令が下るまで待機しろ」
 呆気に取られて道生を見つめるカノンに、さらに追い討ちを掛けるように彼は続けた。
「おめでとう。お前はこれから第一線の兵士の闘いぶりを見ながら、出撃を待つようになる。俺が手ずから育てたんだ。初出撃で、殉職――なんて無様なことは、しないよな?」
 その言葉に、カノンは初めて現実を認識した気がした。

 ――そうだ……ここは、戦場なんだ。

 カノンは、常に自分を導いてきた男が、盾となり自分を守っていてくれた事を改めて思い出し、僅か数年前まで過ごしてきた殺伐とした世界からこんなにも離れ、ぬるま湯の世界に浸かっていたことに恐れ慄いた。
 急に顔色を変えるカノンに、それまで浮かべていた獰猛な笑いを消して、真剣な顔つきで道生は言った。
「お前は、如何して闘うんだ?」
 軍に所属するカノンに聞くには、些か論外で在ろうと思われる質問を道生はした。
「如何してって……私は軍人だっ……まだ出撃はしていないが……。軍人が闘わないで、何をするというのだ」
 当然の如く道生に食って掛かるカノンだったが、相手はあのマスターセリオン「トリプルシックス」だ。ことフェストゥムに関わることだったら、誰にも問答言わせない。
「では質問を変える。お前の“生きる理由”って何だ?」
「“生きる理由”って……生きることに理由なんてあるのかよっ」
 何を言ってるのか分からないっ!!――そう叫んだカノンに、道生は厳しくもはっきりと言った。
「“生存本能”って言葉は確かにある。人が生きようとするのは本能だと。だが、人はそれだけでは生きていけない。人は“理由”が無いと生き“続ける”事は出来ないんだ。お前は、何故フェストゥムと闘う?その理由が無いのなら――『そこにいますか』と尋ねられて、同化してしまっても、仕方がないぞ」

 何を言っているのか良く分からず、放心してしまったカノンに苦笑すると、道生は「すまん、新兵には難しかったな」と言って最初の頃の様に頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
 夕食を終え、カノンが渡された紙にある部屋番号に行くと、いつの間にか自分の私物が持ち込まれていることに驚き、そして、自分が改めて“ファフナーパイロット”と為った事を理解した。
 その日は何も考えられず、そのままベッドに横になり寝てしまった。


 後日、カノンは道生が言っていたことを理解する。
 画面越しとはいえ、マスターセリオンの戦い方を見て、訓練を続けていくうちに、確かに自分には何かが足りないと感じたからだ。
 それが何であるのかはまだ分からないが、ストリートチルドレンとして生きてきたカノンには、“生き残る”ことに関しては、誰にも負けなかった。
 がむしゃらなカノンの様子に、道生は笑って言う。

「お前なら、何時か分かるさ」

 それは、機械の様にフェストゥムを殺す事に、違和感と危機感を抱き始めた道生からの忠告であり、妹を出撃させる兄からの心配であったのだ。
「生きる……理由……」

 まだ、カノンがそれを知るには「何か」が足りなかった。
 まだ、カノンがそれを知るには「出会い」が足りなかった。

 “生き残る”ことに必死な少女を、人として“生きる”事を教えた道生。
 しかし、カノンには、“生き続ける”為の“生きる理由”を教えてくれる人物が必要だった。


 まだ――カノンはそれを知る事になる「誰か」と出会ってはいない。

《ende.》

This fanfiction is written by Ryoku.
縷紅様に捧ぐ。



と言う事で、縷紅さんからの三周年リクエストです。
うわーなんかごちゃごちゃしちゃったかなぁ…。
縷紅さんから「蒼穹のファフナー」「道生とカレン」「生きる理由」というお題をいただきましたが、如何でしょうか。
タイトルはそのままなんですが、「道生」の名前の一字が入っているのでその侭が良いかなぁと思って、採用させていただきました。
道生さんはね……生き残って欲しかったんですよ!
タッチダウンで死ぬなんて信じられなかったんですよ!
溝口さんと同じぐらい、死んで欲しくなかったんですよ!

生き残る事は出来ても、生き続けるには理由が要る。
あんな世界観だからこそ、そういうものじゃないかと思うのです。
あの世界じゃ“惰性”な者から消えていきそうな気がします。

さて作中の英語。“Out of the mouth comes evil.”ですが、ハリポタ小説で同名のものを置いてありますすい、有名な諺ですからご存知かと思いますが、答えを載せておきます。
「口は災いのもと」です。

そういえば、今回の三周年記念リクで、初めてオリキャラ出したなぁ…。特に重要キャラじゃないので説明は良いですよね?

ではでは、縷紅さんお納めくださいませ。
この度はリクエスト有難う御座いました!






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