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2010(Fri) 20:38

『イザナミ』あめのちはれ様に捧ぐ/六周年記念リクエストSS

小説

今夜からのワールドカップは、日本が全然絡まないので純粋に楽しめます。
とりあえず、オランダ対ブラジル戦は審判が日本の方というのもあって、どうなるのか楽しみ。
つか、誤審でもしたものなら審判日本に帰ってこれないんじゃ……(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

とても良い好カードなので、どういう展開になるか楽しみです。
ドイツ対アルゼンチンとか最高だよなー。うはー。

と言うわけで(どういうわけだ)、本題へ。
何とかリクエストをSS化できたので上げます。
順番が変わっちゃって申し訳ないのですが、こちらから先にあげさせてもらいます。




『イザナミ』

 故、ここに返り降りて、さらに、その天の御柱を往き廻ること、先の如し。
 ここにイザナギの神、先に、「あなにやし、えぇ、をとめを」と言ひ、後に、妹、イザナミの神、「あなにやし、えぇ、をとこを」と言ひき。
 かく言ひ竟へて、御合ひして生み子は、淡路之穂之狭別島。


 白いシーツの上に豊かな黒髪が幾筋も流れる。
 茶色はもちろん、金や銀、更にはどぎつい色に染める人が多い最近の若者たちの中では、妙に浮くだろう。
 それでも黒髪にする女性たちは増えつつあると言うが、彼女程綺麗に手入れされた長い黒髪は、ない。
 長い時間を弄ぶのに飽いたからか、純粋にその手触りを楽しんでいるのか。男が流れる黒髪を一房とって手慰みしていると、持ち主である女性が鬱陶しそうにつぶやいた。
「あんた、気持ち悪いわよ、それ」
 情事の後の微睡みもなんのその。
 女性は男の手の中から強引に自分の髪の毛を取り返すと、また触ろうとする右手をぺしりと叩いた。
「くくっ。辛辣だなぁ波江は。それが一夜を共にした相手に言う言葉かい」
 笑いながら苦情を言う男は、それほど気にはしていないようだ。
 波江と呼ばれた女性は、嫌そうに顔をしかめながら、さも当然のように今宵の相手である男に宣った。
「あら。だってあなたは私の誠二じゃないわ。単なる情欲の発散相手よ」
 女性だってため込むと体に悪いもの、そう続いた言葉には、男――『人ラブっ』と宣う折原臨也という変人――はくくくっ、と笑い頷きながら言った。

「だから、俺は『君』という人間が面白くて堪らない。絶対に俺を愛するわけがない『君』という存在は、本当に貴重なんだ」

 一夜の相手に蟲けらのように見つめられ、気持ち悪いとまで言われてもこう言える男は、確かに変わっている――『変態』という言葉がこれ程あう人間もいまい。
 折原臨也という男を嫌う人間なら五万といる。それはもう、あった途端に24時間戦争をしあう程憎みあう人間《平和島静雄》や、人の皮を被った妖刀《園原杏里》など、枚挙に暇がない。だが、彼という男は、たやすく人間の脆い部分に入り込み、どんな人間も取り込んで、自分が相手にとって有効的な――「好きな」人物であると思いこませることができるのだ。何人かの例外を除いて。
 己もそういう例外――「折原臨也を嫌いな人」の中の一人であると主張したかったが、そもそもどうして気に食わない上司に組敷かれ、こんな有様になったのかを思い出すと、問答を楽しむ気のない波江は欠伸を小さして「寝るわ」といって臨也に背を向けた。
 男がもう一度髪の毛をイジるのも良し。何もしないのも良し。何かシ掛けてくるなら――それもまた良し。
 ただ、安心して背後を預けているという事実には、彼女は気づいていないようだった。
 気品のある優美な曲線を描く女は、まるで気高い猫。決して人に靡かず、懐かず、気が向いたときにだけすり寄ってくる、美しい猫。
 臨也はそっと波江の耳元に口を寄せ「おやすみ有能秘書さん」と囁いた。

 * * *

 ぺらりと気の抜けた音をさせ、臨也は有能な秘書が纏めた情報を眺めながらコーヒーを啜る。
 ――さすが、元製薬会社の役員。高級嗜好品に慣れた舌が探し出す豆も、自分で入れる腕前も上出来だ。
 常に探求心を忘れないと豪語する彼は、軽そうな口調と外見とは裏腹に、「最高」という言葉を滅多に使わない。であるからして、波江が煎れたコーヒーに対して与えた「上出来」という評価は、実に高得点。殆ど最高点と言えた。
 馥郁と薫るコーヒーは臨也の気持ちを良くすれども、悪くはしない。しかし、折角の美味しいものでも、今彼の目の前にあるレポートを眺めていると、しかめ面で飲み干さねばならない。実に残念であった。
 だが、どんなに大変な事であれ、彼と言う人間にはどれもそれ程重要な案件ではないのだろう。
 新宿や臨也をひっかき回す案件や、池袋を騒がしているのも退屈しのぎなのかもしれない。
 だから、それはちょっとした気の迷い――彼にしてみれば、暇つぶし。振り回される人にとっては、大いに迷惑。
 ざっと眺めたレポートと、自分の頭の中にだけにある情報と、ネットの広大な海の中で集めてきた泡沫。それらを重ね合わせて、まぁいいかと踏ん切りをつけた。
 ――取りあえずは、計画通り。吸収された黒沼青葉《ブルースクエア》の行動が竜ヶ峰帝人《ダラーズ》にどう言った結果を齎すか、お手並み拝見といこうかな。
 ふふん、と楽しそうに笑い、そして歌い出しそうな身軽な気持ちで、この楽しい思いを身近な人間に伝えてあげようと思った。

「んねぇ、波江。『イザナミ』って言ったら、何を思い浮かべる?」

 上司の突飛な言葉には大分ついていけると思っていた波江だが、この台詞にはいったいどういう裏があるのか大いに迷った。
 日本神話の「イザナギ」と「イザナミ」を指していることは容易に想像できるが、果たしてそこからどう言った答えを欲しているのか。
 池袋を活動の拠点としている「首なしライダー」が、妖精デュラハンであり、北欧神話に登場するヴァルキリーが地上に堕ちた姿であるという仮説を証明しようとしている折原臨也である。この質問もそういった神話から何か新たな仮説を組立て、何かの火種にするつもりなのだろうか。
 そこまで考えつくのに2秒半。優秀な秘書であり、打てば響くように何らかの反応を返す矢霧波江としては、十分遅い反応と言えた。
 だから、目と鼻の先――ほとんど唇がくっつきそうな程近づいていた上司の接近に、珍しく慌てて座っていたソファにめり込んだ。
「近づきすぎよ。誠二だったら全然、全く、多いに構わなかったのに」
 狂った男の秘書である、近親相姦を全く問題と思わない狂った女は、ぺりっと張り付きそうな程近い上司を自身から遠ざけようとする。
 しかし、優男の印象とは裏腹に、以外に強い力で体を拘束される。
「いやーん、波江ったらひっどーい。質問に答えてくれないと、甘楽寂しいぃ」
 チャットの中でのみ活動する「甘楽」という女性の人格というか、ネカマに扮している臨也のハンドルネームのキャラクターで波江に笑いかける臨也は、質問の答えを言わないと拘束を解いてくれなさそうである。
 ――果たして、質問に答えたところで拘束を解いてくれるかも謎ではあるが。
 というわけで、優秀な頭脳を持つ女史としては残念ではあるが、安易な答えであり素直な答えを導き出した。
「日本の創世神話に出てくる二柱の一方。『イザナギ』の伴侶であり、日本人の遠い祖先ともいえる女性の神。『伊邪那美』と書くこともあるわね。別名 黄泉津大神、道敷大神。火の神カグツチを産んだ時の火傷が原因で死亡し、黄泉の国から連れ帰ろうとした『イザナギ』は『元に戻る最中は見てはならない』という約束を破って妻の姿を見て逃亡。その怒りから離縁し――まだ何か言ったほうが良いのかしら」
 ぎりぎりと近づいている顔を、可能な限り女の細腕で押し返しながら、出来る限り説明する。普通はそこまで出てこない。さすが矢霧波江と言うべきか。
 答えがつまらないのか、ふんっと鼻で彼は笑うと、
「波江さんともあろうお方がそんな安直な答えに飛びつくなんて、矢霧製薬の重役っていうのはそんな頭でも大丈夫だったわけ?アメリカ最大手の製薬会社であるネブラに目を付けられる程の頭脳ってそんなもんなわけ?」
 と波江に至近距離で揺さぶりをかけてくる。
 しかし、痛くも痒くもないのは波江のほうだ。相手の意図が分からないのだから、普通に答えた何が悪い。思いっきりバカにした目つきで見上げてやった。

 ノってこない波江に痺れを切らしたか、そもそも反応など気にしていないのか。
 漸く臨也は先ほどの質問の答えを言った。

「臨也と波江で臨波≪イザナミ≫」

 ただし――相手の唇を己のそれで塞いだことで。
 骨伝導とでもいうのだろうか。何となく理解させた、というのが正解だ。

 硬い雰囲気の美しい顔は、見事なまでに呆気に取られ、目を見開いている。
 普段なら、軟派をする男性陣を容赦なく切り捨てる彼女であるが、突然の上司の強行と言動には理性が追いつかないらしい。
「なっ…………ななな、何しているんですかっ」
 女性らしく、顔を赤らめて言えば可愛げがあるのに、顔は蒼白である本当に気持ちが悪いのだろう
 波江を混乱させ、自分の口内の中に消えた臨也が言った言葉とは――。
 くだらない、言葉遊び。
 そんな想像は露とも出来なかったし、したくなかった。

 しかし、冷たい氷の美女と名高い誠二≪おとうと≫だけを愛する波江を、こうも揺さぶる言葉がこんな馬鹿らしい言葉だというのが信じられなかった。


 先ほどから自失している彼女は、さらに近づき、自分を撫で回す上司の為すがままだ。
「ねぇ、波江さん。残業手当は出無いけど、もう少し俺に付き合っていかない?」
 その質問は、今夜の相手をしろということか、これから先暫く共に働いていくことなのか。
 臨也が言う言葉としては、破格の誘い文句であることに間違いは無かった。
 そして、自分の頭の良すぎることに絶望する。
 ――確か、イザナミのイザナは「誘≪イザナ≫う」という意味もあったわね。「誘う波」で「イザナミ」…………お誂え向きとはこのことかっ!
 波江は臨也をじっと見つめる。観察する。何を答えれば、コレは刃ではなく、報酬を与えるのか。
 まるで蛇に絡まれているような、縛られているような拘束感は気に食わないが、残念な事に波江はこの感覚が嫌いでないだ。
 そして、暫く付き合っていくのも悪くは無いと思った波江は、ふふっと軽く笑って、上司の耳に囁いた。

「愉しませてくれるのでしょうね」

 優秀な女史との共同戦線が張れる言質を取れたことに満足した臨也は、「人、ラブっ」とのたまう時に浮かべる気味悪い笑みではなく、僅かに口角を上げる『人らしい』笑みを浮かべた。
 確かに『人間』折原臨也の笑みという報酬である。
 ――弟を寵愛する女性に、その報酬は十分であったかどうかは、また別の話であるが。

 今度は優しく彼女を抱き寄せ、男はその夜に相応しいことを悦しむことにした。

* * *

 翌朝、もう一度、昨夜言われた言葉の意味を尋ねたら、トンでもない答えが返ってきた。
「いやだなぁ、波江。昨日も言ったじゃん!それは勿論『折原臨也』と『矢霧波江』のイザヤとナミエをくっ付けた略称じゃない。臨波で『イザナミ』。ほら、俺たちはベストカップルってコトだね。何せ神話の時代から約束されているんだからっ」
 上司の軽すぎる言葉に、若干頭が痛くなった波江は、容赦なく切り捨てた。
「闇医者≪岸谷新羅≫とあなたって、本当にお友達なのね」
 上司が黙り込むのに十分な刃である。

 ペラペラと喋る続けるような男と余計な言葉は、男を廃らせるようであった。

≪了≫

This fanfiction is written by Ryoku.
あめのちはれ様に捧ぐ。




と言う事で、出来上がったものから上げていきます。
第一弾は虫ころすの人あめのちはれサンのリクエストです。

1・あめのちはれ
2・デュラララ!
3・本命→イザナミ
 →補欠 鋼で、ロイ&ホークアイ
4・CPでもコンビでもオチなし的日常でも何でも、作り手様的に波長に無理が無い所で結構です、無理のない範囲でー。
黒幕組が好き…!(聞いてない)
組み合わせ的にどう転んでも不毛な感じにはなると思うので、
こちらが難題なようでしたら 何かしら何とかなりそうな(笑)
鋼の方の上司と部下でお願いします。



と言う事で、デュラララ!!でイザナミです。最初っからマイナーウェイ突っ走ってます。
私は大好物です。まるで狙ったかのようにね!(笑)
「イザナミ」というカップリングを聞いたときから、このネタしか思い浮かばず、タイトルもそのまま。
黒幕組ですから、イザナミ=黄泉津大神という組み合わせはピッタリw
冒頭の三文は、有名な国造りの一節から拝借。
イザナギがイザナミに求婚しなおしたアレですね。

ちょっと色々とR15とかどうしようかと思いましたが、全然大丈夫ですよねー。
こんくらいスルーっすよねーw

あめのちはれサンのみお持ち帰りです。
この度はリクエスト有難う御座いました!



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